Gakusyu forum With Me ― 私と楽習フォーラム ― 

好きなことを仕事にする。
その喜びが、子どもにも伝わっていると思う

青木恵理先生(ビーズアクセサリー Blue-Bell)

「ビーズに出会って、好きなことを仕事にできることに感謝している」と語る青木先生は、講師として活動するほか、キットデザインやビーズステッチ研修会での登壇、百貨店でオリジナル作品を販売するなどマルチに活躍されています。
子育てと仕事を両立しながらビーズステッチの道を探究されてきた青木先生から、講師を目指す方へのエールをいただきました。

※写真・情報は2019年取材時点のものです

 

目の前にいる1人の生徒さんを大事にする

―青木先生がビーズ講師を始められたきっかけをお伺いできますか。

資格取得は作品販売につなげるのが目的で、講師になることは考えていませんでした。ですがビーズ友達の一人が講師になって彼女に勧められ、「私にもできるかも」と軽いノリで講師を始めたのがきっかけです。

最初は自宅で息子3人が保育園に行っている時間帯だけお教室を開きました。生徒さんが1人とか2人のスタートでしたが、まずはその方を大事にしようと思っていました。お教室を本業にしたのは末っ子が卒園するタイミングです。その頃には、区の生涯学習センターやカルチャーセンターなどの教室も増えていました。

区の施設やカルチャーセンターの情報は、友人に「ここで教室ができるんじゃない」と勧められて、「じゃあやってみようかな」と自分から施設にアポイントを取りました。友人に言われたことを鵜呑みにするタイプだったのでそれが良かったのかもしれません。

 

「好きなことを仕事にしていい」と、子どもたちにも伝わっている

―子育てをしながらの講師活動で大変だった点は何でしょうか。

子どもは急に具合が悪くなることがあるので、どうしてもという時は主人の母に協力してもらいました。でも、ちょっとした風邪なら、自宅教室の部屋の隅に寝かせて講座をすることもありました。生徒さんにも恵まれていたと思います。

私は子どもが小さい頃から自宅教室をやっていたので、生徒さんが自宅に来ることは子どもにとっても普通のこと。生徒さんにご挨拶ができるようになったし、社交性が身について良かったと思います。

今、子どもたちも大学生と高校生になり進路を決めるわけですが、私が好きなことを仕事にしているからか、彼らは将来やりたいことがハッキリしています。“好きなことをやって生きていいんだ”と子どもたちに示せているのかな。


―子育てと仕事の両立のために、どのような工夫をされましたか。

子どもが小さい頃は仕事を平日だけにするなど、自分の中でルールを決めていました。子育て中は何をするにも時間制限があって、子どもが寝ている時間しかできないこともあります。でも人間って時間が限られたほうが頑張れますよね。限られた中で仕事を上手にまわす方法を考えるので、仕事量が増えても、優先順位を見極められるようになったと思います。

 

お教室を始めて実感した、誰かに喜んでもらえるという社会貢献

―講師活動を始める前と後で変化したことは何でしょうか。

普通に会社に勤めていた頃は、目の前の仕事が何の役に立ち、誰のためになるかを感じることは少なかったと思います。

お教室を始めてから生徒さんの反応が直接分かるようになって、「先生の教室が良かった」と言ってもらえた時に感じる嬉しさは、会社員の頃には感じられなかったことです。誰かのために何かできる、社会貢献が自分でもできるんだと気づきました。

過去を振り返ると私は人見知りするタイプだったので、仕事もコツコツやるような事務職でいいと思っていたんです。百貨店で自分の作品を販売するなんて想像できなかった。ですが、お教室で生徒さんとのふれあいを経て、相手が喜んでくれたら嬉しいという想いから百貨店での接客に立つこともできるようになりました。

性格自体は変わってないと思いますが、人に対する感じ方が変わったと思います。好きなことや共通の話題があれば初対面でもいろいろ話せるんだと、新たな自分を発見しました。

私はノリで教室を始めましたが、深く考えすぎて始められなくなるより、やってみたことは経験になるし、自分のためになるのかなと思います。習うことと教えることは全然違うもので、教えてみて初めて気づくことがたくさんあるんですよね。その積み重ねで上手な講師になっていくと思います。

 
 

同じことを質問されても、惜しみなく何回でも教える

―生徒さんに教える時には、どのようなことを心がけていますか。

自分が知っていることは、出し惜しみしないで全て伝えようと思っています。同じことを何回質問されても繰り返し教えるし、うまく伝わらなかったら伝え方を変える工夫をします。

生徒さんからの質問で分からないことがあっても、正直に「分からないので次回までに調べておきますね」と言うことができれば、不安にならないと思います。ビーズだって分野がいっぱいありますから、学び続けないといけないのはもちろんですが、技術を習得していれば生徒さんよりも知識はあるので、そこは自信を持ってもいいかなと思うんです。


―お教室運営で大切にしていることは何でしょうか。

一人ひとりの生徒さんを大事にすることと、あとは笑顔。たかがビーズかもしれないけど、生徒さんにとってお教室の2時間がすごく集中できたり、嫌なことを忘れられたり、完成を喜ぶ瞬間があることは、すごく大事だと思います。

私は、ビーズに出会ってから人生が変わりました。好きなビーズで仕事ができることに感謝しているので、せっかくなら楽しんでいたい。家のことも仕事もやらなくちゃいけなくて大変!と思うこともありますが、自分ならできると言い聞かせて乗り越えています。その努力が自分に戻ってきたと感じる日は必ずくると思います。

 

Column

 

青木先生のアトリエ

「自分が一番好きなテクニックはビーズステッチだと気づいてからは、オリジナル作品はビーズステッチだけにして、他の分野を学びたいという生徒さんには、楽習フォーラムのキットを頼りに教えることにしています」と青木先生。 オリジナル作品のデザインはメモに書き起こして行うことも。ビーズステッチを中心にデザインされますが、ジュエリークロッシェやワイヤーなど学んだ技術はデザインを考える際に活かされているそうです。

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