Gakusyu forum With Me ― 私と楽習フォーラム ― 

私は「完璧じゃない先生」だから、
生徒さんに育ててもらっている

川船まき先生 (ビーズアクセサリー教室 Maple Avenue)

「実は私、手芸が得意じゃないんです」と、驚きのエピソードから披露してくれた川船先生。ビーズの楽しさにどんどん夢中になり、2021年優秀教室経営賞では第1位を受賞するほどの人気講師となられました。「講師として、生徒さんに育ててもらっています」と語る川船先生のお教室活動について伺いました。

優秀教室経営賞…教室運営における活動実績

 

手芸が苦手でも、誰かと話しながら ビーズで作る楽しさに目覚めた

―川船先生とビーズの出会いをお伺いできますか。

以前、夫の海外赴任のためブラジルに住んでいたのですが、治安も日本ほど安全ではないので、子どもが遊ぶのもママ友が集まるのもすべて家でした。その当時、日本ではビーズブームが起こっていた頃で、日本からビーズキットを持って行き、ママ友の集まりで、おしゃべりをしながら作ることをしていました。

実は私、手芸が得意じゃないんです。ボタン付けもろくにできないし、家庭科の課題は母親に作ってもらっていたので。でも、話しながらビーズで作ることは楽しいかなと思っていたところ、アメリカへ転勤になりました。
自宅での教室活動を始めたのはアメリカに行ってからです。子どもが小さいうちは外に出にくいし、時間がある今のうちに、日本に帰ってからもできる何かを学んでおこうと思って、それがビーズでした。「勉強するなら皆を集めて教えてよ」と言ってくれる友達もいたので、教室を開くという目標もでき、学ぶモチベーションを保つことができました。


―楽習フォーラムを選んでいただいた理由は何でしょうか。

当時、雑誌などでも楽習フォーラムのことは拝見していて、一番信頼できそうな団体だと思いました。
手芸が苦手なのにビーズを続けられたのは、ご縁かなと。ビーズは奥が深くて、ステッチ一つとっても、いろんな編み方があって1個習ったら終わりではない。深く学ぶことも、幅広く学ぶこともできたので、底なし沼のようにハマっていった感じです。家族からも「ボタン付けはできないのに、何で小さいビーズはできるんだろうね」と言われますが、たぶん達成感とか、でき上がった時の喜びが違うんだと思います。ボタン付けても喜びはないし(笑)。
大人になってから、学ぶことの楽しさに巡り会えて、こんなに一生懸命に何かに取り組むことができるとは思っていなかったので、充実感と達成感を得ることができたと思います。


―帰国後の講師活動は、何から始めたのでしょうか。

帰国したら、日本の教室で学ぶこと、自宅教室を続けること、自宅以外の外での教室を始めようと決めていたので、一つずつ行動していきました。
帰国して習いに行ったのが関けい子先生のお教室です。自宅教室以外へのアプローチは、最初は大きい店舗に営業する自信はないなと思って、近所の手芸用品店に履歴書を持って飛び込んでいました。それから関先生のお教室で勉強させてもらいながら、アシスタントのお声がけをいただいて。関先生が生徒さんにどうやって教えているのかを間近で見ることができて、すごく勉強になったんです。そうしたら外で教える自信もついてきて、カルチャーセンターでも大丈夫かなと、少しずつ広げていった感じです。

講師の仕事を始めてから、それまで「◎◎ちゃんのママ」「◎◎さんの奥さん」という肩書きしかなかったのに、「先生」と呼ばれる生活を送るとは思いませんでした。カルチャーだけでなく、楽習フォーラムの本部講座を担当させていただいたことで、全国の方や台湾の方、普段の生活ではきっとお会いしなかっただろう多くの方にお会いすることができたことが嬉しかったです。

もちろん講師の仕事を続けるには、母親業との両立が必要でした。夫と子どもたち、家族皆が協力してくれたことに感謝しています。お教室をお休みしないよう、「病気にならない、ならせない!!」を合言葉に、自身だけでなく家族の健康管理も気を配りました。あとは完璧を求めすぎないこと(笑)。

 

生徒さんにお勧めするのは、作っていて楽しい、私が好きな作品!

―お教室づくりで心がけていることは何でしょうか。

各々求めるものが違うので、作り方を教える以外にその方に合わせたアドバイスをしています。「してはいけない」「しなくてはならない」を作らないように、堅苦しくないけれども、真剣な時には真剣に。メリハリを付けています。

一つだけお約束があって、認定講座の課題を作る方には「先に進めすぎないこと」を守ってもらうようにお願いしています。「ここまで宿題で、続きは来月やりましょうね」と。ご自宅で宿題をしていると、楽しくなっちゃって宿題より先の工程まで進んでしまうことがよくあるんです。それで提出してもらうと、間違っていたり、もっと引き締めが必要だったりして、本当はその部分をきれいに作れるように説明したかったんですが、かなり進んでしまったらやり直してもらうのも大変なので。

資格取得を目的としていない方でも、課題の4作品中3作品を作ると、「やっぱり資格を取りたい」と気持ちが変わることもあるので、認定講座の課題を作る時だけはお約束を守ってもらうようにしています。先に進めたくなる方には、ブラッシュアップ作品や体験作品をお勧めして、ご自身でできるところは作ってもらっています。


―川船先生は、2021年度の優秀教室経営賞で第1位でした。どのような活動が成果につながっていると思われますか。

生徒さん向けのメルマガ配信などで定期的にお勧め作品や新講座のご案内などを配信しています。メルマガはLINEを使用し、お一人おひとりとつながっています。お勧めする作品は、基本的に私が好きなものを推しています(笑)。作ってみて「なにコレ~、スゴイ!」という驚きがあったり、作っていて楽しかった作品を、「今月1番人気になりそう!」みたいな感じで、写真と一緒にお伝えしています。


―川船先生のイキイキした感想と感情をのせてお知らせしているのですね。

お勧めした作品は反響が高いです。LINEなので、案内に興味ある人だけにお返事をもらうようにして、あとは既読スルーでいいよと。それなら皆さんも見やすいし、返信しやすいのかなと思います。中には、お教室は辞めたけれどメルマガだけでつながっている方が結構いらっしゃって、数年ぶりに「私も注文していいですか」「またお教室に行ってもいいですか」とご連絡いただく方もいます。一方通行ながらも、つながりが続いているのかなと思います。

 

「やってみないと分からない」から スタートしたオンラインレッスン

―コロナ禍で、お教室活動はどのようにされていたのでしょうか。

自宅教室もカルチャーも3カ月くらいはリアルなお教室がまったくできない状態でした。そうしたら、生徒さんから「オンラインレッスンしてください」と言ってくれて。でも私はパソコン苦手だし無理って思っていたのですが、「オンラインの立ち上げも、練習も全部付き合うから、やってください」と言われて、じゃあ勉強しようかなと。

私の信条は、「やってみないと分からないからとりあえずやってみよう」なので、やってみて問題が起こったらそこで考えればいいし、より良くなるよう努力すればいいし、一歩踏み出さなければゼロでしかないので、とりあえずやってみようと。生徒さんに練習に付き合ってもらうことで慣れてきて、オンラインレッスンを始めることができました。

コロナ禍のお休み中もメルマガで情報発信は続けて生徒さんと連絡を取っていたので、辞めずに残ってくれた生徒さんとはより関係が密になれたかなと思います。おうち時間で作れるように、「先生のセレクトパック」みたいな形で3キットをセットにして少しお安めにして販売すると、「今度はコレを作りたい」と反応してくれて。生徒さんも次のお教室で会えるか分からないから、LINEで質問してくれたり。

コロナ禍の状況下で何ができるのかを皆で試して、そのお試しは私一人ではできないから、練習に付き合ってくれる生徒さんたちがいて、いろんな方法をお教室でチャレンジすることはできたかなと思います。

 

失敗することが多いから、 できない生徒さんの気持ちが分かる

―生徒さんと一緒に、お教室を作り上げていらっしゃるのですね。

生徒さんも薄々気づいていると思うのですが、私、完璧じゃない先生なので(笑)。課題も2~3回作り直すこともよくあるし、糸は切れるし、ビーズは割るし。失敗のネタをたくさん持っているので、できない生徒さんの気持ちが分かると思う。それだけは自信あります。私より上手な生徒さんがたくさんいるので、「1回で上手にできると営業妨害だからやめてね~☆」なんて言ったりしています。

私は優等生じゃないので生徒さんのほうがしっかりしてくれて、心配してくれて。それに甘えながら育ててもらっています。楽習フォーラムから表彰いただいていますが、生徒さんと一緒に皆でもらっている賞です。


―今後の目標をお伺いできますか。

生徒さんたちが、楽しく、長く続けられるお教室にしたいなと思います。なので私も学び続けるし、「先生、しっかりして」と生徒さんに助けてもらいながらも、皆さんが楽しんでくださる教室を細々ながらも続けていければいいかなと。一人ひとりのニーズを聞いて、その生徒さんに合ったアドバイスができるようにしたいなと思います。

Column

 

川船先生の心に残るキット

ヨーロピアンのフレーミングペンダント
~ティアドロップ~

天然石ブルーレースと小枝の
Yラインネックレス~ネモフィラ~

私は基本的にオリジナルを作らないので、デザインすることから逃げていたのですが、この2作品はデザイナーとして関わらせていただきました。
自分がイメージしている作品と、楽習フォーラムが望むレベル感が違ったりすることも多く、その差異をどう埋めるのか、落としどころを見つけるのがすごく大変だなと感じました。
自分がデザインした作品ってアピールするのが苦手で、百貨店でもお教室でも、あまり推してないです。それよりも他の先生がデザインされた大好きな作品を勧めちゃうんです。

Voice   生徒様の声

 

納得できるまで教えてくれる、明るくて気さくな先生です

(村上志津子様/東京都)

自宅の近くで教室を探していたころ、友達が先に川船先生の教室で受講していて、いろいろなアソシエイツをお持ちで分かりやすく教えてくださる先生とのことで、紹介していただきました。 川船先生はスタイルが良くお綺麗な方で、最初はちょっと緊張しながら話しをした記憶があります。実際は明るく気さくで、とても話しやすく、何度同じことを聞いても、嫌な顔もせずに教えてくださる先生でした。毎回、納得できるまで教えてくださるので、不安を家に持ち帰ることがありません。「分かるまで」というのは当たり前かもしれませんが、なかなかできないことだと思います。 私もお教室をしているので、技術を教わるだけでなく、「生徒さんにはこのように伝えると分かりやすいかもね!」等のアドバイスもくださいます。

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