Gakusyu forum With Me ― 私と楽習フォーラム ― 

楽習フォーラムのハンドメイド技術を
中国へ発信する「中国認定校」

羅樹文化伝播有限公司 代表 呉沁沁様

「楽習フォーラム中国認定校」として2019年より業務提携している羅樹文化伝播有限公司(以下 羅樹)。中国の受講生たちは常に熱心に学び、着実に技術を身に付け、素晴らしい作品を生み出しているそうです。中国における実績と今後の展望を、代表の呉沁沁(ご しんしん)さんに伺いました。

 

体系的に学べるカリキュラムを取り入れる

―なぜ楽習フォーラムとの提携を決められたのでしょうか。

中国の手芸教室に通われている方は、手芸を「趣味」としてとらえる方が多いのですが、羅樹工房の教室では、すでに手芸教室を経営している生徒さんが多く、さらに高い技術を学びたいというニーズがありました。
より体系的に教えることで技術力も高められるのではないかという点から、楽習フォーラムが開発したハンドメイド技術、カリキュラムを中国にも広めたいと思いました。
私たちは羅樹工房を11年間運営してきて、2019年5月よりそのシステムの中に『楽習フォーラム 中国認定総校』として業務提携を行い、運営を開始しました。


―どの講座から開講されたのでしょうか。

まずは、オートクチュールビーズ刺繍、ソウタシエジュエリー、ワイヤーレースジュエリー、コスチュームジュエリーなどを開講しています。毎年2~3講座の教科書を翻訳して中国市場に導入する計画があり、価格体系も整えております。楽習フォーラムの認定講座は中国全土で販売価格を統一させています。その販売価格の中には、キット、道具バッグ、教科書、認定証、授業代、場所代、運営費用などすべて含まれたオールインワンの価格で販売し、個別では販売しておりません。


―どのくらいの方が資格を取得されたのでしょうか。

2019年5月から現在(2022年11月時点)において、中国国内でディプロマ認定講座に参加し、講師資格を取得した講師は182名です。その中に中国の楽習フォーラムで活躍している講師が30名あまりいらっしゃって、中国の楽習フォーラムに協力していただき、中国に適用する講座の内容開発および授業を行っています。



 

学んだ技術を使った作品が日本のコンテストでも入賞

―中国各地でのお教室も増えているそうですね。

現在、中国で10カ所の提携教室があります。北京1軒、上海5軒、成都1軒、浙江2軒、広州1軒です。
各教室の運営者はすべて楽習フォーラムの認定証を持っている方です。楽習フォーラム本部の講座および指導を受け、審査に合格した後、中国各地で生徒募集と講座を行い、その後のフォローアップの業務も展開しています。 協力教室の講座で使用する材料キットや道具バッグなどは、すべて楽習フォーラム本部に発注しています。また各協力教室の生徒さんが作った審査作品は、まず教室の講師が審査を行ってから上海本部に提出し、まとめて日本の楽習フォーラム本部に提出しています。

日本の審査員による審査を受けて合格したら、「一般社団法人楽習フォーラム推進協議会」もしくは「一般財団法人生涯学習開発財団」から授与された認定証を取得できます。本部の講座研修を受け、審査が合格になって初めて、楽習フォーラムの講座を自らの教室で開講できるのです。

また中国の楽習フォーラムでは今、中国国内でオンラインメディアアカウントを持って発信しています。ウィーチャット※1では「楽習Forum」というアカウントを持ち、バックグラウンドファン1600名、小紅書※2ではアカウント「楽習Forum」でバックグラウンドファン4374名です。

※1…LINEのような中国のSNSアプリ
※2…Instagramのような中国のSNSアプリ



―羅樹工房を通して、たくさんの中国人作家の方がAJCクリエイターズコンテストなどの日本のコンテストにもチャレンジされています。

これまでAJCクリエイターズコンテストおよびコスチュームジュエリーアワードに参加しました。中国のデザイナーの方々の素晴らしい作品を募集し、中国で初歩的な審査を経て、日本に提出しています。
2020年のコスチュームジュエリーアワードでは、北京のデザイナー曹侠さんの作品「並蒂蓮」がゴールド賞 桂由美賞を受賞し、その他6名の中国デザイナーの作品が佳作を受賞しました。

AJCクリエイターズコンテストでは、2021年に中国から9名が入選、2名が佳作を受賞。2022年には2名が銅賞 産経新聞社賞と特別奨励賞 オールアバウトライフワークス賞を受賞し、他5名が入賞しました。

▲コスチュームジュエリーアワード2020で ゴールド賞 桂由美賞を受賞した曹侠さんの作品「並蒂蓮」

 

中産階級4億人が求める、精神的な充足と美への需要

―中国における今後の展開をお伺いできますか。

中国楽習フォーラムの現在の中国国内戦略はいくつかあります。専門教室やスタジオと協力して専門講師を育成すること。大学などの学院機構との提携により、学生たちの技能養成の教育システムに参入すること。第三者機関との提携により、インターナショナル・スクールの中小学校の美学研修講座や趣味育成クラスに参入すること。軽資産的な組み入れプロジェクトとして、既存の高級団地の交流センターや、チェーンの喫茶店や花屋、書店、美術館、博物館などと長期的な業務提携を行うことです。

上海商学院との芸術デザイン学院・服装デザイン学部の2回の海外マスターキャンプ講座、上海常青藤国際小学校の趣味育成クラスの年間提携協議、上海交通大学の湖畔国際芸術センターとの高級洋服のオーダーメイド、オートクチュールディプロマ講座、上海の既存店舗との手作り体験講座の提携など、成功例が数多くあります。これらはプロフェッショナルかつ再現性のある楽習フォーラムの講座が中国市場で普及する可能性が高いという証です。


▲上海商学院マスターキャンプの様子。2020年10月17日から8日間かけて日本のワイヤーレース講師 岸美砂子先生から Zoomを使った遠隔授業で学生たちに技術を伝達。
上海商学院のデザイン学院とのマスターキャンプ連携は2020年から2022年にわたって、年に一度10日間の集中講座を通じて、日本楽習フォーラムの講師が遠隔授業で、学年で選ばれた優秀な生徒さんへ技術を伝達した。


―今、中国にはどのようなニーズがあるのでしょうか。

中国には約14億人の人口があり、その中で4億人が国際通用の基準によって中産階級と見なされます。彼らは物質的な需要だけでなく、精神的な需要および美への追求もあります。中産階級の総人数は今後20年間でさらに倍増する可能性があります。今までの40年間において、消費者の需要は主に物質の数量と品質が持続的に向上することにありましたが、今後の20年は、主に精神的な需要および美の製品やサービスに需要があるでしょう。この傾向は第一線の大都市、例えば上海や北京ではすでに明らかになりました。今後は他の都市でも同じ流れになる見通しです。
その需要に対して、現在の中国には、ファッションアクセサリーの業界で、個人デザイナーや個人スタジオはあるとしても、学びからプロ育成までの総合的なプラットフォームのような存在がまだない空白状態です。

もし楽習フォーラムが総合的なプラットフォームを構築して、アクセサリーの設計と手作りに関わる技能講座をより専門化させ、持続的に更新させ、システムを整え、さらに講師資格講座およびコンテストも加えたら、生涯精進する事業として深い意味があります。
今の段階は楽習フォーラムの手作りプラットフォームを中国で普及させる良い機会でもあるし、この業界のリーダーシップを占める絶好のチャンスだと考えています。


▲ 羅樹が提携するアートギャラリー。



▲ 上海左右美術館での作品展。

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