Gakusyu forum With Me ― 私と楽習フォーラム ― 

生の花ではできない表現がオートクチュール・フルールではできる

水谷鏡子先生(花のハーモニー)

フラワーアレンジメントにおいて輝かしいご経歴をお持ちの水谷先生。オランダや英国の巨匠に師事し、日本で初めてオランダ花園芸教育協会(SOB)/Advance Design Flower Academy(ADFAII)認定ディプロマを取得。桂由美先生のファッションショーではフラワーデザイナーとして活躍するなど、生花のプロである水谷先生はオートクチュール・フルールという新たな花の世界に感動されて以来、その普及に力を尽くされています。

※オートクチュール・フルール…桂由美先生がプロデュースするアーティシャルフラワー(高級造花)を使い、ファッションやインテリア小物を制作する認定講座。http://www.hcm-a.jp/

 

「新しい花の世界がある」と感動した

―なぜ、オートクチュール・フルールにご興味を持たれたのでしょうか。

私は桂由美先生の国内外のファッションショーでフラワーデザイナーとして活動し、そのご縁で桂先生が携われたオートクチュール・フルールの講座があると知りました。
それまでの私はフレッシュな本物の花を扱っていましたので、造花にはまったく興味がなかったのですね。ですがオートクチュール・フルールとは何だろうと思って体験レッスンに行きました。実際に作ってみると、造花の花びらをばらしてまったく別の花を作るという発想と作品の面白さに驚きました。このような新しい花の世界があるのかと。最初に感動した時のインパクトが今でも強く残っています。

そこからオートクチュール・フルールの資格を取得し「認定エコール」として、東京の田園調布と愛知の岡崎を拠点にレッスンを行い、何十名もの認定資格取得者を育てました。
楽習フォーラムの講座は、テキストから指導要領が明確で非常に指導しやすいシステムになっていること、材料も揃っていてすべて発送していただける環境があることが良かったです。
現在は、新しい教材が発表されていないので、水谷流の独自のオートクチュール・フルールの世界を作り、生徒さんへ広めています。


―水谷先生の独自のオートクチュール・フルールは、どのようなレッスンなのでしょうか。

私が花を準備し、生徒さんに課題を与え、それぞれにデザインを考えて制作していただきます。私は完成見本を作らないので、一人ひとりが考えたデザインに私がチェックを入れ、直していくという形をとっています。 私はフラワーアレンジメントが専門なので、生の花からたくさんのヒントを得ており、生の花ではできないことがオートクチュール・フルールでは表現できます。「自分でこんなに素晴らしいものが作れた」「自分の作品が一番」と思ってもらえるよう教えています。

※認定エコール…オートクチュールメティエール協会(会長 桂由美)が認証した認定校。アーティフィシャルフラワーの文化普及ならびに、芸術への発展のため「オートクチュール・フルール認定講座」を開講し、初心者からプロフェッショナルまでを養成し、認定会員の活動支援を行う。現在、認定エコール制度は終了。

 

フラワーアレンジメントとは別物の表現

―フラワーアレンジメントとオートクチュール・フルールは、教え方にどのような違いがありますか。

生の花はすぐ傷んでしまいますが、造花は時間が経っても美しいことが一番大きいですね。造花なのでバラバラに分解し、花びらを組み替えて新しい花を作ることができます。花の組み合わせ方は2種類でも3種類でも、何種類でも自由です。生の花ではもちろんそのようなことはできませんよね。どの花を組み合わせるかは制作者のセンスが花に出てきます。

さらにオートクチュール・フルールはデザイン性も求められます。1輪だけ見たこともない新しい花を作ることができても、それらを使ってどのように作品として仕上げていくかはデザイナーの腕の見せ所です。
普通に花瓶に活けるのも一つの方法ですが、壁掛けにもできますし、お正月の飾りなど、デザイン次第でどのような装飾もできます。


―フラワーアレンジメントを習ったことがある方のほうが、上手に作れるのでしょうか。

それは一概には言えないと思います。フラワーアレンジメントと比較する必要はなくて、オートクチュール・フルールは別物として考えた方がいいと思います。
私は、新しいものを生み出すことは特殊な世界になると思いますが、ものを作ることが好きな人なら、誰でもできると思います。
単なる造花を飾ることとは違いますから、興味を持った方なら、どんどん素敵な花を作り出していくだろうなと思います。子どもさんでも喜んで新しい花を作りますよ。

 

オートクチュール・フルールをもう一度盛り上げたい

―水谷先生の今後の展望をお伺いできますか。

私は花の業界で38年間生きてきた自負がありますから、コロナ後の花の世界の在り方を真剣に考え直しており、もう一度オートクチュール・フルールを盛り上げていきたいと思っています。

オートクチュール・フルールは日本で生まれた独自の花の世界。ですから海外へ提案したいとずっと前から思っていました。造花の質もすごく良くなってきていて、まだまだ発展するのではないかと思います。

オートクチュール・フルールのブライダルコースも、実際に結婚式を行われる方も作られて喜んでいただきました。今後、結婚式もまた増えるかもしれませんが、大きい式というよりもこれからは個性的な式で、他の人が真似できないものを作るなど個性の時代になっていくのかなと思います。

またオンラインレッスンもこれから展開していこうと、動画編集やパワーポイントを勉強し、オンラインのライブ配信も行ったりしています。オートクチュール・フルールは生花よりもオンラインレッスンに向いていると思います。

生花は時間と共に傷んでしまいますが、オートクチュール・フルールは材料が傷まないし、何回でも作り直しができることもオンラインに向いている点ですね。パソコン上で、作品の表裏、横向きも見せ合ってコメントし合うこともできます。
また、年に1回か2回はリアルな会場に集まって、生徒さんが作品を持ち寄る機会も作ってコミュニケーションをとるなど、楽しいことができるだろうなと思って、その計画が頭の中にあるのです。

現状のままではオートクチュール・フルールは先細りしてしまいます。もう一度、オートクチュール・フルールに新たな息吹をもたらしたい。桂先生にも入っていただいて、新しい発想でチャレンジしたいと思っています。

Voice   生徒様の声

 

技術だけではなく、人間性や生き方も水谷先生から学んでいます。

(宮村伸江様/兵庫県)

オートクチュール・フルールという講座を知り、とにかく早く受講したいと思い、いろいろなところに問い合わせをしたところ、水谷先生は対応がとても親切で、私の無理なスケジュールにも柔軟に対応してくださいました。
初めて水谷先生にお会いした時、第一声のはっきりとした言葉がとても好印象で、安心感を覚えました。そしてなぜか、とてもご縁を感じました。
私は長年お花とテーブルコーディネートの仕事をしておりましたので、いろいろな生花やプリザーブドフラワー等々の様々な教室に通っていましたが、水谷先生の教室では、お花への向き合い方や精神的なことも教えていただき、人間的なこと、生き方など、とても勉強になっております。

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