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1月18日、楽習フォーラム銀座汐留本部でビーズワーク研究家・水野 久美子さん、ニットの貴公子・広瀬光治さんによる公開トークショーを開催、ビーズ、編み物の世界で活躍するお二人に「手づくり」をテーマにお話いただきました。
 
それぞれの経験を交えながら楽しいトークが繰り広げられました。

――同じニットの世界で勉強をしながら、旅行やスポーツなど、プライベートでも親交が深いというおふたりに、今日は手作りの楽しさについて語っていただきましょう。 
まずはニットとビーズ、両方をやっていらっしゃる水野先生から。ビーズとニットの共通点や違い、そして魅力は何でしょう?

 
水野:ビーズステッチの場合は針と糸を使うので、老眼鏡さえあれば高齢者の方にも長く楽しんでいただけるんです。現在、最高齢の生徒さんは92歳なんですよ。
 
広瀬:小学生から高齢の方まで、ファン層が実に幅広いですよね? 教えるうえで何か気をつけていることはありますか? 水野:まず第一に「難しくないこと」ですね。私のモットーは、楽しくできること。楽しくなくちゃやっぱり好きになれないでしょう?
 
広瀬:確かに、誰にでも楽しめるということは、手作りをするうえで良いキーワードになりますね。ビーズステッチの良いところは、たとえば明日パーティがあるといったときに、思い立ったらすぐに作れること。編み物ならそうはいきません。いくら私が編むのが早いといっても、最低3日かかりますからね(笑)。
 
水野:そうなんです。よく「時間かかるんでしょ?」って聞かれるんですけれど、簡単なものなら初心者の方でも30分くらいで完成できるんです。そのとき着たい服に合わせてすぐに作れるのが、いちばんの魅力ですね。
 
 
――ところで、みなさんのなかにもいつかは本を出したい、ジュエリーデザイナーになりたいという方がいらっしゃると思うんですが、そういう方へアドバイスはありますか?
 
水野:私は編み物で英国王立ビクトリア&アルバート大学のデザイン科のジョン・アレン先生に師事しました。そこで学んだことのなかで、もっとも衝撃的だったのは「糸を見てものを作るんじゃない」ということなんです。素材だけを見るのではなく、音楽を聴く、絵を見る、ビルでも壁紙でも何でもいい、イマジネーションやインスピレーションをどこから得るかがものを作るうえでいちばん大切なんですね。
 
広瀬:日本人の場合はつい、毛糸やビーズなどの材料を見てから、「さて何を作ろう」という発想をしがちですよね。
 
水野:そうそう。ところがジョン・アレン先生たちのやり方は違う。まず、まったく違うものからイメージを広げるんです。雑誌からいろんなものを切り抜いてイメージを広げ、コラージュし、それからスタイル画に入って、製図をする。
 
広瀬:オリジナルを生み出すことってすごく大切ですよね。だれかの真似をするのは簡単だけれど、自分らしいものを創ることはすごく難しい。 私の場合は歌舞伎を見たりして、衣装から、「あのフリルの部分はどうやったらニットで表現できるかな?」って……。オリジナリティを生み出すには、まず描いてみることが大切。そこから発展して、次はこういうものを作るためにはどういう方法があるのかという自分のための研究や勉強がでてくる。そうじゃないと進歩がないと思うんです。
 
水野:確かにビーズにも同じことがいえますね。私はみなさんによく「デザイン画を出して」といことがあるんですが、イメージを最初に持つ、どういうものを作りたいのかを考える、そのために素材を集める――それが最良の近道だと思うんです。それともう1つ、ひとつのことを長く続けるには目標を持つことが何よりも重要。自分ががんばった証として、資格をとることも励みになるのではないでしょうか。
 
――ところで、手作りの楽しみ方には、ひとりで楽しむ、仲間で楽しむ、教える楽しみなどいろいろありますが、おふたりにとっての手作りの楽しみは何ですか?
 
広瀬:私にとってはやはり、たくさんの方との出会いですね。もしかしたら一生お話する機会がなかったかもしれない方たちと教室で出会えたり、「TV見てます!」って街中で声をかけられたりすると、続けてきて本当によかったって思えるんです。
 
水野:私の場合は、人にプレゼントすることかな。私が編み物を始めたそもそものきっかけは、親友に「ミトンの手袋がほしい。こんなの作って」って頼まれたことなんです。擦り切れて穴があくまで大切に使ってくれたのが嬉しくて、「人にプレゼントしたらこんなに喜んでくれるんだ」って思ったらすごくうれしくなりました。今は時間がなくてなかなかできませんが、あのときの気持ちはずっと忘れないでいたいと思います。
 
――最後に、おふたりの夢や今後の目標をきかせていただけますか?
 
広瀬:いちばん伝えたいのは、手作りのぬくもり。なんでもお金で買える時代だし、いちから作るとかえって時間もお金もかかるのに、なぜ手作りをするんだろう?って考えたとき、「手作りってあったかいな」「人間の手や気持ちってすごいな」というところに思い至りました。たとえば、ご主人のためにセーターを編める人だったら、子供たちにも「手作りってこんなにあったかいんだよ。手作りのものをプレゼントすると、あったかい気持ちが返ってくるよ」ってきっと伝えてくださると思うんです。手作りをすることでみんなの心が少しずつやさしくなって、人を思いやる気持ちが生まれたらいいなと思います。
 
水野: 私の夢は、今ここにいる会員のみなさんの中から、一人でも多く私のあとを継いでくださる方をたくさん育てることですね。楽しく学ぶ――そういう気持ちの持ち方を受け継ぎ、広めてくださる方が、これからもっともっと増えることを祈っています。
 

 

 
水野先生もトークショーの様子を紹介しています。

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